日替わりL版ポスターカード
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説明など
彼女の名はリリス。かつては天界で最も美しいと謳われた天使であり、その姿は神々の愛と称賛を一身に受けていた。黄金の羽根を持ち、慈愛に満ちた眼差しで全ての生き物を見守る彼女は、天使たちの模範であり、天界の守護者としての役割を果たしていた。しかし、その純粋な心に人間界の王子への禁断の愛が芽生えた瞬間から、彼女の運命は大きく狂い始めた。
王子は美しく、知恵に満ちた者であったが、何よりも彼の心の奥底にある優しさが、リリスの心を揺さぶった。天界の規則では、人間との関わりは厳しく禁じられていた。ましてや、愛を抱くなど許されるはずもない。しかし、リリスはその掟を破り、王子と密かに愛を交わすようになった。
リリスの愛は深く、彼女は王子のために天界の力を行使し、その身を護り続けた。しかし、その行為はやがて天界の高位の天使たちの知るところとなり、彼女の裁きが下された。彼女が禁じられた力を用いたことは、天界の秩序を乱す重大な罪とみなされた。リリスはその光輝く羽根を剥奪され、黒い角と漆黒の衣を身に纏い、地上へと堕とされた。
リリスの魂は、天界と地上の間に引き裂かれたままだった。白い台座に座る彼女の姿は、かつての純粋さと無垢を象徴しているが、その下に滴り落ちる赤い液体は、彼女の犯した罪と失われた愛の象徴である。その液体は、彼女が流した血と涙の混ざり合ったものであり、リリスが背負う永遠の苦悩を物語っている。
彼女の瞳には常に涙が浮かび、その美しい青い瞳には、かつての幸せな日々と、王子への深い愛が映し出されている。リリスは天界への帰還を望んでいるが、それ以上に、王子との再会を切に願っている。しかし、その願いが叶う日が訪れるかどうかは、誰にもわからない。彼女は今も孤独に彷徨い続け、暗い世界で愛する者の面影を追い求めている。
地上に降り立ったリリスは、多くの人々に恐れられた。彼女の黒い角と漆黒の衣は、彼女が天使でありながらも地獄の使者であることを示していた。しかし、その一方で、彼女の哀しげな美しさに魅了される者もいた。彼らはリリスを近づけないようにしながらも、その存在に強く惹かれ、彼女が流す涙に秘められた物語に耳を傾けた。
リリスの涙が完全に乾く日、それは彼女が許され、救済される瞬間であると言われている。しかし、リリスの涙が尽きることはなく、その哀しみは永遠に続いている。彼女の心が解放される日が来るか、それとも永遠に王子を想い続ける定めなのか、それは未だに誰も知らない。
彼女の物語は、愛と罪、そして許しを求める心の葛藤を描いている。リリスの孤独な旅は続くが、その終着点は未だ見えず、彼女の運命は暗い霧の中に隠されている。しかし、彼女は今も、王子との再会を夢見て、涙を流し続けるのだ。